木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったか

増田俊也氏の大著。何しろ2段組みで699ページ。
今時ノンフィクションでこんなに長いのよく出版できたなー。
なんて思いながらも、まったくその長さを感じさせない素晴らしい内容です。
木村の前に木村なし 木村の後に木村なし と言われた鬼の柔道木村政彦を
徹底的に調べ尽くしている。
今の柔道だけでなく格闘技全般に通じる全ての近代格闘技の歴史を網羅している感じ。
江戸期が終わって柔術、柔道のたどった歴史。
講道館柔道、高専柔道、武徳会のそれぞれの柔道。
戦前戦中の柔道。
戦後の柔道。
世界の柔道。
木村の人生が格闘技界すべてと交錯している。
こんなに詳しい話を読んだことも聞いたこともなかったので、
自分で思い込んでいて全然違う思い違いをしていたり、
まったく知らない事柄も多く、ページをめくるのが楽しくて楽しくて、
この大著が終わりに近づくと、木村政彦も当然老いていくわけだが、
読み終わってしまうのがもったいなく思ってしまう程興味深い本。
自分の思い違いの中でも、えーっと思ったのは、
武徳会の性格が戦争の為の体制翼賛的な存在としか思ってなかったこと。
もう一つは講道館がいろんな柔術を吸収して、あらゆる柔道柔術の流派、技を取り込んで
成立しているのかと思っていたこと。実際は講道館とう一流派が圧倒的に大きくなっていったのが実態だった。
この書のメインはやはり力道山との巌流島決戦だろう。
この話を昔、猪瀬直樹氏の講演で詳しく話を聞いたことがあり、
おおよそのブック破りについては知っていたが、
この増田氏の執念の取材はその技術、体調にまで及び真に迫った内容だった。
エリオグレイシーとの伝説のマラカナン決戦についても詳細にそのブラジルの
日系人の社会情勢まで言及する徹底した内容。
私は見るだけだがプロレスも格闘技も全般何でも好き。裏話も大好き。
そういう人にはこの本は絶対に読まなければ損、な内容です。
最後に衝撃の事実が突然明かされる。




木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
新潮社
増田 俊也

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